ホーム > 社葬の実務:訃報の告知方法

社葬などの大型葬は、その組織にとっては危機管理のひとつとして重要な儀式と言えます。社外に対しては、その組織の対応力・危機管理能力が明らかとなる場でもありますので、しっかりとした対応が必要です。
まず、逝去の段階では、どこまで情報をコントロールできるかが成功の鍵となります。大々的に公開して行う社葬と異なり、限られた参列者で行う密葬では、通知先を制限しなくては混乱の元になるからです。社内外において緘口令を敷き、想定外の事態にならないよう細心の注意を払います。
一方で社葬では、業界団体や取引先、会社OBなどへの告知と問合せ対応を間違いのないように確実に行わなくてはなりません。連絡の不徹底などから情報の共有化が図られていないと、取引先などから不信感を抱かれかねません。
組織の団結力強化のためにもしっかりとした対応をしたいものです。

社外通知

社外に対する訃報と葬儀詳細の通知。

1訃報の発信
  • 葬儀の日時・場所などが決定したら、社外の取引先や関係者向けに訃報を発信します。
  • 連絡手段としては、FAXや電話、メールが使用されます。但し、参列者を制限して密葬を行う場合は、不特定先に情報が漏れないよう、連絡手段にも注意が必要です。
  • 原則として挨拶文は挿入せず、葬儀または告別式の日時、場所、葬儀委員長、喪主、問合せ担当部署などについて記入します。

訃報文例

2死亡記事の掲載
  • 葬儀の日時・場所などが決定したら、各新聞社や記者クラブなどに連絡を入れます。
  • 死亡記事は無料ですが、新聞各社により掲載基準が異なります。
  • 記載事項は、死亡者氏名、享年、死亡日時・場所、死因(詳細な病名は不要)、告別式日時・場所(住所)、喪主と続柄、簡単な略歴、社葬の内訳、訃報文書の問い合わせ先などですが、新聞社各社により掲載内容が異なります。
  • 問合せ先を掲載する場合は会社の総務部などとし、個人の連絡先(喪家の自宅など)を掲載しないように依頼します。

死亡記事例:
死亡記事例

3死亡広告の掲載
  • 死亡広告は新聞紙面上に枠を取らなければなりません。死亡記事と異なり有料です。
  • 葬儀社のほか、お取引のある広告代理店でも対応しています。
  • 式当日の2週間~3週間前に掲載します。
  • 死亡広告のほか、訃報広告や黒枠広告とも言われます。
死亡広告出稿の流れ
①事前準備
予算、広告スペースのサイズ、掲載を希望する新聞などをあらかじめ決めておく。
②打ち合わせ
掲載する新聞や掲載内容、掲載希望日、広告スペース、制作料金などについて決定していく。
③広告原稿作成
原稿は広告代理店や葬儀社などでも作成可能。eメールやFAXなどで内容を確認する。問題がなければ出稿へ。
④死亡広告掲載
掲載日に希望の新聞に死亡広告掲載。

黒枠広告例:
死亡記事例

その他の黒枠広告文例を見る

4社葬案内状の発送
  • 社葬の日時・会場が決定したら、参列していただく方に案内状を発送します。
  • 発送先は、重要取引先などの来賓(VIP)と参列者に限り、会葬者には発送しません。あらかじめ用意しておいた名簿に基づいて行います。
  • 死亡広告が掲載される日には必ず到着するように発送します。来賓には直接持参するのが基本です。
  • 結婚式のように返信用はがきを同封することはなく、到着した頃を見計らって電話でお伺いを立てます。

社葬案内文例を見る

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社内通知

社外に訃報を発信してからしばらくして、取引先から各部署への問合せが頻発します。社内で統一した回答ができるよう、担当部署から社内通知文書を出しておきます。社葬の日程・会場などが決まり次第、速やかに発信するようにしましょう。

  • 葬儀または告別式の日時、場所、葬儀委員長、喪主などについて記入するとともに、社外からの問い合わせに対応できるよう、必要な事項はもらさず記入します。
  • 社葬に参列できる社員の範囲を示し、それと同時に参列を希望する社員がいた場合の対応方法を明確にします。
  • 連絡手段としては、FAXや電話、メールを使用します。但し、参列者を制限して密葬を行う場合は、社内であっても緘口令を敷き、情報発信を制限します。

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